国立大学法人 岡山大学

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研究科長からのご挨拶

社会文化科学研究科長
遊佐 徹

みなさん、こんにちは。社会文化科学研究科長の遊佐です。このたびはHPをご覧いただきありがとうございます。これから本研究科について簡単にご紹介したいと思います。

本研究科は文学系、法学系、経済学系の3つの学系を基盤とし博士前期課程と博士後期課程からなる総合文系大学院です。100名を超える教員がその特徴を活かしながら人文・社会科学の幅広い学問領域を網羅する多様な教育をおこなっています。さらには2年前からその教育内容を学位プログラムの形に再編する改革を実施いたしました。学位プログラムとは学位取得までの道のりを体系化して示した学修者本位の履修モデルのことです。本研究科では計7つの学位プログラムを用意しています。これにより、みなさんは社会のニーズに沿ったキャリアパスをイメージしながら充実した学生生活を送ることができるしょう。

社会のニーズといえば、近年、人文・社会学系大学院に対する実社会の期待が大きくなっていることをご存知でしょうか。地球温暖化、新型コロナ感染症の拡大、ロシアのウクライナ侵略、中国とのデカップリング、社会の分断、少子高齢化問題等々、現在私達は実に多くの問題に直面しています。加えてそれらのほとんどが私達の存在そのものを脅かすインパクトを有しています。そうした問題の解決の担い手としていま「人文知」への注目が強まっているのです。その注目はすでに我が国の政策面においても確認することができます。2年前には世界や日本が抱える問題のイノベーショナルな解決主体として人文・社会学が自然科学、生命科学と同等の位置付けを与えられることになりました(第6期科学技術・イノベーション基本計画)。本研究科ではそうした期待に対応するために「人文知」にAI・数理データサインスの技能を組み合わせる取り組みを始めています(卓越大学院プログラム、Xプログラム)。また、前述の状況に伴って新たに「人文知」と理系の学知が融合した「総合知」の概念が提唱されることになりましたが、本研究科では2021年に開設された文明動態研究所と連携しながらその理念に則した多彩な研究を展開しています。さらには今年度、「月や火星に住むために統合的な英知の結集できるプラットフォームの構築事業」にも参画することといたしました。とはいえ、本研究科はもっぱら世界的課題や宇宙のみに目を向けているわけではありません。これまで同様、地域で活躍する人材の育成にも力を入れてゆきます。これは岡山大学が近年自らを地域中核・特色ある研究大学として確認したこととも相呼応する方針ですし、そもそも地域の課題の解決(デジタル田園健康特区構想への参画などはその好例です)が達成されてこそ世界や人類の課題の解決も可能になるという見通しを私達は持っているからです。多くの海外協定校(36校)を有する本研究科はその見通しを実現する能力を十分に備えています。

ここまでやや具体的な事例もお示しつつ、本研究科の教育と研究の特色についてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。パンデミックの終息が現実となったいま、みなさんの学修には新しい飛躍の道が用意されています。日本有数の広大なキャンパスでみなさんとともに学び、研鑽を深めることができる日が来ることを心待ちにしています。