修了生・在学生の声&活動
Voices of Graduates and Students & Activity
修了生 Graduates
私が大学院の入学を考えたのは、社会人として15年が経過し、私の専門領域である医療・介護業界で経営に携わる立場になったのがきっかけでした。入学前の私は、自社経営における意思決定の多くが「主観」的であり、「経験主義」的でした。それで大きな問題があったわけではなかったのですが、少しづつですが「これで良いのだろうか」と疑問が湧き、何かしっくりこない日々が続くようになりました。
そこで、今までの社会人としての自分や経営に携わる者として、自己を今一度、見つめ直して、もう1段バージョンアップさせるために大学院への入学を決意しました。
在学中は、仕事と同時進行ですから、授業やレポート作成、ゼミ発表に取り組むのは、大変でした。しかし、指導教員の指導や同じ志を持った同期生やゼミ生の仲間と励まし合いながら学べたことは非常に良い経験になりました。また、修士論文作成に際しては、実証部としてアンケート調査とインタビュー調査を実施しましたが、非常に多くの介護施設にご協力いただきました。大感謝です。とくにインタビュー調査では、同様な介護施設の経営者に、生の声をいろいろと聴くことができました。これについては、多くの発見(自分にとっては気づき)があり、自身の仕事にも非常に反映させることができています。
修士課程を修了して約1ヶ月ですが、改めて経営の現場に入ると、自分の中に、物事を客観的に、かつ論理的に視ることができるようになったと思います。さらに「何が問題」というゼミで飛び交っていたフレーズが、普通に浮かぶようになった自分に「あれ?」となっています。
もし、大学院で学ばず、従来の主観・経験主義的視点で仕事を継続していれば、案外、行き詰っていたかもしれないと思います。
最後に。世の中には、リーダーシップやマネジメントについて、非常に多くの情報が溢れています。そして、それらの情報に効率・即効的にアクセスできます。確かに、処方箋や即効的なノウハウ・手法を学ぶことは必要だとは思います。しかし、時間はかかりますが、学問としての経営を学び、科学的に仕事現場にある諸問題について本質に迫ること、そして多くのあいまいとした暗黙知を形式知化するために必死に頭に汗をかくこと、これらは、企業経営に携わる多くの人にとって大いに意義のあることだと痛感しています。