修了生・在学生の声&活動
Voices of Graduates and Students & Activity
大学院生 Students
私は、2010年4月に修士課程へ入学し、3年間かけて修士論文を書きました。そして、思う所があって2015年4月から博士後期課程へ入学しました。経営学を学び始めて9年目になります。よく知人からは、なぜ博士後期課程へ入学を考えたのか?と尋ねられます。
その答えはこうです。「修士課程で3年間学び、論文も書きましたが、自分の知りたかったことは、よく分かりませんでした。経営学は、理論(サイエンス)であり、実践(応用・アート)でもあると言われています。しかし、私の修士論文は、インタビュー調査にご協力いただきました皆様のおかげで、現象の分析は何とかできたと考えています。しかし、そこから発展して解決方法やその対処方法をどのようにすれば良いのか、と考えた時に、「?」だけが残りました。よって、達成感ではなく、もやもや感だけが残ったからです」。
つまり、修士研究は終わったものの、自分の中では不消化で終わっていたわけです。元々、修士には、当時、事務職員として勤務していた学校の危機対処(入学者がどんどん減っているのに、気づかない教・職員、気づいていても何もしようとしない管理職)の様相について、何とかならないものか、という(今から思えば)不平・不満から通学するようになりました。
指導教員からは、「科学するとは、どういうことかを何度でもよく考えること。研究が進めば、進むほど、ものごとを確定・断定的に言うことが、いかに難しくて、慎重に言うべきか、ということが、よく分かるようになる。科学は、即効・効率性とは親和性が悪い。答えは簡単には見つからない。同じ問題を立てて、大学入試のように他人と同じ解答であれば、やめた方が良い。組織現象は、理論を使って正確に捉えること。科学は正確性の前で正直である。簡単にあきらめないで、とことんやってみること。最後に、何をしにこの大学院に来たのか…これが最後の砦」とよく言われました。今、考えると、修士入学の契機となった上述の個人的な不平・不満は、問題でも何でもなかった…やはり単なる不平・不満だった、ということが本当によく分かりました。
博士後期課程では、組織変革(人の意識や行動を変える)における抵抗(現象)を研究対象として研究を続けています。やればやるほど、暗闇に入っていく様で、その意味では出口が見えず、不安だらけです。しかし、何回か学会発表(日本経営学会、中四国商経学会)をし、指導教員と共同で、雑誌等に発表していくと、いろいろな方々から、それこそいろいろな批判・意見をいただけます。批判であっても、とりあえず、「おまえの言いたいことは分かる」と言っていただけるだけでも、大変ありがたいと思っています。今後も、多くの方々に指導いただきながら、研究を進めていきたいと考えています。