修了生・在学生の声&活動
Voices of Graduates and Students & Activity
修了生 Graduates
私は、岡山大学での研究生を1年間経て、社会文化科学研究科組織経営専攻を2010年3月に修了しました。留学生の私からすれば、この専攻の大きな魅力は、社会人と一緒に授業を受け、ゼミでいろいろな議論をできることにあります。とくに私の在学時には、留学生が研究生を含め10数名、社会人院生も10数名という大世帯で、非常ににぎやかでした。
当然、授業やゼミは日本語が中心の講義・発表・ディスカッションですから、留学生にとってはハードルが高いかもしれません。しかし、初めは大変でしたが、慣れてくれば何とかなってきました。私は、指導教員から指示があって、常に電子辞書を持っていました。変な話ですが、院ゼミ終了後に、時々あった食事会では、社会人院生の日本語が分からず、あるいは意味が共有できず、電子辞書を間にして、議論したこともあります。これも変な話ですが、社会人院生の何人からは「日本語は得意?と思っていたが、本当に(私たち留学生)には通じず、改めて勉強になった」という感想?をもらいました。
上記を懸命にやったおかげか、言語力は割と短い期間に上達できたように思います。余談ですが、大学院修了後、岡山の企業に就職しました。休日に、先生や同期の社会人院生に会った際に、「これ中国語に訳して」とか「これ中国語で何と言うの」とか言われたのですが、意外と訳せなくて「日本語では言えるのだけれど…」と頭(心)の中でつぶやいた自分に「あれっ?」と苦笑しました。
授業は、理論だけではなく、現場の生々しいケースも題材になります。これは、就職活動の際にも、大変役に立ったと言うか、就職後の職場のいろいろな状況について違和感なく理解が進みました。お勧めです。
私は、ワーク・ライフ・バランスが従業員の仕事行動に及ぼす影響を対象に修士研究を行いました。ゼミの必須として、実証として社会調査が義務づけられていました。具体的には、企業と従業員対象のアンケート調査、および企業と従業員対象のインタビュー調査、合計4つの調査を行いました。中でも1,000通超の企業対象アンケート調査では、質問票の印刷・封入・切手張りは今から思えば良い思い出です。また、企業対象のインタビュー調査では、大阪の企業(3社)に先生と一緒に行きました。録音のテープ起しは、まず、1字1句日本語で記述していくのですが、これにはかなり苦労しました。しかし、これも良い思い出です。この調査結果の一部は、共著ですが『岡山大学経済学会雑誌』(第41巻,第2号,55-76頁,2009年9月刊)に掲載していただきました。
修士研究の審査会の準備では、まず30の画面を作法(フォント、字の大きさ、行間ピッチ、数字の階層等)に従って作成し、30分のシナリオを何度も修正し、読みます。次に、ストップウオッチで測りながら、10日前から毎日2回、先生やゼミの院生の前で練習しました。想定問答も考えます。ですから、本番の際には、緊張することもなく、割とスムーズにできました。
結果的に。いろいろなお方々に恵まれ、ご協力のおかげで自分にとっては、有意義な修士論文が書けたと思っています。
今、日本企業に勤めていますが、言語力はもちろん、物事を論理的に分析した上ですすめるような思考力は岡山大学・大学院で鍛えられたからだと思っています。それに、当時一緒に勉強した先輩や後輩は、職位が高いにもかかわらず高いモティベーションを持ち、日々自己成長を求めている方々でしたので、私にとっては憧れであり、キャリア・ロールモデルであり、いまでもいろいろな形でおつきあいをしていただいています。
最後に留学生へ
岡山大学は街に近隣してありますので、自転車20分圏内で大学やアルバイト先を考慮すれば、効率的に時間無駄なく生活することはできます。キャンパスには生協の食堂がありますが、安くて栄養がよく考えられた料理を食べられます。私が来日して初めて借りたアパートは生協の紹介でした。最後に、先生からは「何をしにここにわざわざ中国から来たのか、よく考えること」と常に言われました。そして「いやなことから逃げずに、常に自分にベクトルを向けてガンバ!」も言われました。良い思い出です。