税制は、経済活動や社会生活と密接な関係にあり、お互いに影響し合っています。この科目では、法人税、所得税、消費税といった企業経営をとりまく税目の他、相続税や手続的な問題も広くとりあげ、より実務的な観点からの考察を行うようにしています。ある規範を知識として覚えることももちろん大切ですが、それを踏まえて、その規範が現実の社会の中でどのように機能しているのかも意識することが大切だと思います。社会情勢の変化なども背景に、時として制度設計者の意図を越えてその規範が機能してしまうということもあるからです。物事の変化が早く、人々の価値観も益々多様化していく現代においては、特に、こういった姿勢が必要になっていると思います。幸いこの科目の履修者には、社会人も多く、税理士を目指す人や中には既に税務・会計の実務に携わっている人も参加しています。毎回、それぞれが自らの経験を基に、何が問題なのか、それをどう考え、どのように処理すればいいのか、答えが一つというわけではないので、毎回白熱した議論が展開されています。

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