国立大学法人 岡山大学

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税理士を目指す方へ 〜メッセージ〜

山本 晋さん
税理士(中国税理士会倉敷支部所属)
非常勤講師(岡山大学大学院社会文化科学研究科)


 私は岡山大学大学院を修了(税法専攻)ののち、倉敷にある税理士法人で10年間勤務、6年ほど前に独立し倉敷に事務所を構えております。税理士業の魅力は様々あるかと思いますが、10数年にわたり倉敷で税理士業を行ってきた私にとって、それはクライアントである中小企業の成長を共に喜べることでした。税理士に寄せられる相談は会計・税務はもちろん、個人的なものも含め多岐にわたり、クライアントとの信頼関係が深まるに連れ、それらの範囲も広がっていきます。これらを二人三脚で解決していく過程でクライアント企業が大きく成長し、また自分自身の成長も感じられる。このことが私にとって税理士業の一番の魅力です。

学生時代、私は税理士資格取得に際し、大学院への進学を選択しました。大学院へ通うことにより税理士試験の科目免除という直接的なメリットがあるほか、より深く体系的に会計や税法を学ぶことができます。これは正確な計算力や暗記力を求める税理士試験とは異なった学びであり、実務においてもこれらはまるで両輪のように機能していると感じています。特にクライアントに対して説明や理解を求める際、税務調査時において調査官と議論を行う場面では、このような思考訓練を行ってきた経験が活かされています。

また今後の会計業界はITによる効率化がさらに加速していきます。こうした分野においても、会計・税務を本質的に理解することにより、ITを効率的に業務の中に組み込み、より生産性を向上させることが可能になるでしょう。

近年、税理士は将来なくなる職業として挙げられることが多く、目指すことを躊躇される方もいらっしゃるかと思います。もちろんITやAIの利用により業務の一部が置き換えられていくことは予想されます。ただこうした変化は、税理士事務所内での非効率な作業がスムーズにこなせるようになることを意味しており、私自身は歓迎すべき技術革新であると感じています。機械的な作業をITが肩代わりすることで、付加価値の高い判断業務により集中することができます。従来の業務イメージに縛られることなく、柔軟に対応していけば非常に将来性の高い業種であるといえるでしょう。

資格取得のハードルは決して低くありませんが是非チャレンジしてみて下さい。