国立大学法人 岡山大学

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活動報告

ただいま進行中:考古資料の岩石学的研究

2020/09/01

考古学的遺構や遺物には,石室,石棺,石器,土器,ガラス,玉類など,岩石質(珪酸塩主体の混合物)のものがたくさんあります。自然科学研究科の野坂准教授の研究室では,卒論や修士論文の課題として,またBE-ARCHAEOプロジェクトの一環として,そのような考古資料の岩石学的研究に取り組んでいます。

岩石学とは,天然の岩石を物理的あるいは化学的方法で分析し,これに地質学的知見を加味して,地球や地球型惑星の成り立ちと歴史を理解しようとする学問です。一般に岩石は,生成時の物理条件や化学条件を反映して組成や構造が変化します。それらの違いを光学顕微鏡や電子顕微鏡,あるいは各種の分光分析装置などを使って調べることで,岩石の生成条件や地殻変動の歴史を推定することができます。

岩石質の考古資料も,天然の岩石と同様に,岩石学的手法によって組成や構造を分析することができます。例えば土器の場合,顕微鏡観察やX線分光分析によって,胎土を構成する鉱物の種類や化学組成,あるいは鉱物どうしの化学反応の痕跡などを知ることができます。そのような分析によって,土器の材料や製法が推定できると予想されます。

また吉備地域の古墳の石室には巨大な石材がたくさん使われていますが,それらを携帯型分析装置で分析することによって,鉱物組成や化学組成を非破壊的に調べることができます。うまくいけば巨大石材の産地などを知る手がかりが得られるかもしれません。

考古資料の多くは考古学的研究によって時代や地域ごとの相違点や類似点が明らかにされており,それに基づいてモノづくりの技術発展や地域間交流の歴史が論じられています。そのような議論により実証的な根拠を加えるべく,近年は文理融合型の研究が進められていますが,岩石学からの貢献もまた大いに期待されるところです。

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